今回紹介するのは自然豊かな環境を活かした住まい。それは木造2階建てで内装と外装に多くの木材が使用されており、家の周りの環境を反映させるものとなっています。このような美しい家を建てたのは、建築事務所「UZU」。多くの住宅を手掛ける建築事務所は、家と住人、そして家と環境の関係を考えた美しい家を実現しています。
「曲居 kyokkyo」と名付けられた建物が建つのは比叡山の麓。近くまで山が迫っており、建物の前には美しい緑が見えます。周辺にはまばらに家が建つ程度で、建物は木々や山、そして野原に囲まれています。そのため、ここでは車のエンジン音や生活騒音などを聞くことはありません。ここで聞こえるのは虫の鳴き声や風や雨音といった自然が生み出す音。ここにあるのは美しい自然環境です。
柱や梁、そして床などに見られるように、建物内部も多くの木材を使用しています。ですが自然を感じさせるのは、使われている素材だけではありません。山に面する壁に取り付けられているのは巨大なガラス窓。そのため建物内からも目の前に広がる美しい風景を楽しむことができます。そんな風景をより一層楽しませるのは、建物の前に取り付けられたウッドデッキ。それは建物から気軽に出られる屋外空間としての役割を果たします。そこで風を感じたり、虫の鳴き声を聞きながら、食事を楽しむことができるでしょう。ここでは家と環境は繋がりを持っているのです。
このような家を建てるにあたって、建物の設計を依頼したクライアント夫妻は積極的な関わり方を考えました。実際に家づくりで行ったのは、木の塗装やキッチンの組み立てなど。そこには建物の設計した「UZU」の考え方が表されています。それはクライアントが直接関わることで、従来のやり方では見つけられないような家づくりの可能性を探ること。ここでは実際に自分たちが手がけた家に住むことで家と住人の関係は深まっているのです。
今回建てられた家には2つの関係が強く表れています。それは家と住人の関係、そして家と環境の関係。こうした2つの繋がりは、家に住むことを特別なものにします。周りの自然環境を意識しながら思い入れのある家に住む。それは他の家では感じられないような素晴らしい体験になるに違いありません。