今回ご紹介するのは有限会社クリエデザインが手掛けた2世帯住宅。3世代が同居するということで、家族がお互いの気配を感じられる、ほっと落ち着けるような空間を目指して設計されました。木をふんだんに使ったあたたかみのある和風モダンの住まいです。では早速見て行きましょう。
Photographer : Kouji Morita
黒い外壁に天然木の映える和風のシンプルな外観は、モダンでありながらも落ち着いた印象を与えます。敷地のある地域は昔炭鉱で栄えた歴史を持つため、そのイメージから石炭の黒を用いたという背景もあるそうです。また天然木が用いられた箇所は時間とともに独特の味わいが生まれることが期待されます。3世代がつながる家らしく、その外観は時の流れを意識させてくれます。
広々とした横長の玄関は、後にスロープを設置することも可能なように設計されています。2世帯住宅ではバリアフリーも重要な要素ですよね。真っ白な壁とふんだんに使われた木が明るくぬくもりある空間を演出しています。また豆砂利洗い出しの床が空間にアクセントを加えています。
リビングには誰もが憧れる薪ストーブが設置されており、上部は広々とした吹き抜けとなっています。明るく開放的、そして暖かな空間は家族が集まる団欒にぴったりの場所ですね。吹き抜けは1階と2階をつなぐ装置。2階にいても家族の気配を感じ、つながりを意識させてくれます。また、家具を含め、こちらの空間にも木が多用され、ぬくもりある心地よいスペースが実現しています。
明るい色でまとめられた和室は、柔らかい光の射し込む、モダンで落ち着いた雰囲気の空間です。この和室のように、シンプルな襖紙や、縁無し畳を使用すると、すっきりとあか抜けた印象となります。
シンプルで美しい蛇腹折りの木の階段。手すりも木で作られ、統一感とぬくもりのある雰囲気が大事にされています。造り手の素材へのこだわりが感じられる階段です。
階段下に位置する洗面室。木を用いたシンプルでモダンな階段のデザインを生かし、あえてその形を見せて空間の一部として昇華しています。間接照明を用いることで、やわらかく、温かみのある雰囲気が生まれています。造り付け家具でまとめられているので、すっきりと無駄がなく、全体的に統一感のあるインテリアとなっています。