家づくりの基本まとめ。あなたはどのタイプ?

A.Imamura A.Imamura
混構造の自然住宅, モリモトアトリエ / morimoto atelier モリモトアトリエ / morimoto atelier Modern dining room
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失敗しない家づくりの基本を知るためには、何から始めれば良いのでしょうか。世界に一つだけのあなたのマイホーム。「家づくり」という人生最大のイベントを、いかに安心して楽しめばいいのか。まずは家づくりの基本として、あなたにピッタリな「家のタイプ」を見つけましょう!タイプ別の家づくりの流れをこちらで紹介いたしますので参考にして下さい!

家づくりの基本: メーカーにお任せ?それとも建築家と相談?

「マイホームを建てたいけど、面倒なことはメーカーにお任せしたい・・・」そんな人はメーカーにお任せの家造りが合うかもしれません。でも、家づくりの基本で一番大切なことはなんでしょうか?業者選びが大切と聞きますが、本当にそれだけでしょうか?住宅メーカーの選択と並んで大切なことは、時間をかけ勉強をするということです。満足いくマイホームづくりに一番大切なことは、「家づくりの勉強にできる限り時間をかける」、そして「家族の将来を真剣に考えてくれる住宅メーカーを選ぶ」という点が重要になります。

こちらは、札幌市一級建築士事務所(株)アトリエカーサの手掛ける「スベリ台のある家」。三方を住宅や施設に囲まれた厳しい敷地状況でも周囲からプライバシーを守りつつ、家族に居心地の良い空間づくりを目指した住まいのデザイン。お子様からのリクエストより「スベリ台」を設けた遊び心のある楽しい住宅が完成しました。建築家と家族が綿密に相談し時間をかけて構想を練っていく二人三脚のマイホームづくり。一番大切なことは、信頼できる業者と時間をかけ、施主が当然かなえられるはずだと思っていたことが、実現されているかどうかなのです。

クレジット:寺島 博美

家づくりの基本: 更地に新築を建設タイプ

自分のよく知る土地に建築予定地の更地を所有している人には、更地に新築の家造りがあうでしょう。こちらは、東京の森下新宮建築設計事務所が手がける四国の山間部に位置する「sky and light house」。家の南側は、パノラマの風景を取り込むことが出来る開放的なリビングがあり、三方を障子にみたてた横引きのガラス戸を開放すれば、ウッドデッキに繋がる内と外が一体化する大きなスペースが広がります。また急な集落の祭事にも対応できるように、固定間仕切を設けず、可能な限り可動間仕切りを設ける事で、大規模な冠婚葬祭にも対応できるような空間としています。よく知った自分の土地での家づくりの基本は、閉塞的にならず、周辺環境や地域コミュニティーへも配慮し周囲に愛される家づくりが基本でしょう。

クレジット:森下新宮建築設計事務所

古屋を立て替えてタイプ

親が所有している実家を建て替えれば土地を買うための費用が不要になります。また、古家付きの土地は、更地よりも割安で買えることもあります。そんな場合は、「古屋を立て替え」のがおススメです。しかし、この「自分で土地を買って家を建てるよりもおトク!」というメリットだけを見て建物を解体してしまうと、思わぬ落とし穴が!実は古屋立て替えの家づくりの基本で知っておきたいことは、建て替えができない土地、建て替えができない「再建築不可物件」あるということです。たとえ今、家が建っていても、「解体して更地にしてしまうと新たな家を建てられない土地」というものがあり、それを「再建築不可物件」といいます。土地購入前にしっかり確認しておきましょう。

こちらは、名古屋の向井一規建築設計工房が手がける築80年の長屋を活かした美しいリノベーションの一例です。老朽化が激しく、現代の住まいとしては、遮音・断熱・水まわりなど基本的な機能に欠陥がある長屋も多いですが、こちらは施主の長屋原型再生の希望の下に、長屋間取りを利用し、玄関からアトリエ・通り土間・ダイニングキッチンと全てワンフロアのコンクリートの土間でつなげ、土間から腰掛けるレベルで板間・和室を一段高くすることで、機能の分化を図りつつ、オープンでフレキシビリティのあるスペースとしてデザインされています。また、冬の寒さを考慮し土間には床暖房を取り入れることで、長屋の冬の寒さをカバーします。間仕切りを襖から板戸にし、黒褐色を基調としたカラーリングにするなどの工夫で、シックな雰囲気をもつ空間に立て替えられています。

撮影:鈴木研一

他所に引っ越しての家づくりタイプ

他所に引っ越しての家造りは、その土地の自然環境や土地にあわせた構造選びが大切になります。「木造、それとも鉄筋コンクリート・・・?」悩むところですが、こちらのモリモトアトリエが手がける千葉県の「混構造の自然住宅」を見てみましょう。こちらは、鉄筋コンクリートと木造の混構造の住宅です。1階の鉄筋コンクリート構造内には庭に向かって大きな窓のある広いリビングスペースや趣味を活かせるカーリフトを備えたガレージがあり、また堅牢な耐震性・耐火性を持つ鉄筋コンクリートで造ってあります。2階は寝室や和室、書斎などがあり木造在来工法のやさしい空間が広がっています。耐火性・耐震性のある鉄筋コンクリートと日本の自然環境にあった優しい木造を組み合わせた素敵な住まいの例です。

クレジット: 金子建築写真室

土地探しからの家づくりタイプ

土地探しからの家づくりは、まず希望の土地の歴史、因縁、自然環境を調べることから始まります。特に新たに開発された新興住宅地などは、国土地理院の土地条件図の利用をして、自分の住む土地がどんな地形なのかを判別しておきましょう。 地形がわかれば、土の大まかな構成がわかるので、土地条件図を利用し、その土地が過去どういった使われ方をしていたのかを判別することもできます。その土地が宅地に適しているのかどうかある程度推測もでき、新居購入の際にもまとめて役立ちます。

こちらは、建築設計事務所SAI工房が手がける兵庫県神戸市にある小高い山を大規模開発された新興住宅街に立つ住まい。新興住宅地には、その土地にゆかりの無い新しい家族が、新たに地域社会を作っていきます。お互いが自分自身の権利を主張しあうように門や塀等が立ち並び、さまざまな物に縛られながら生活されているように感じる新興住宅地ですが、本来、近い年代の家族同士がお互い寄り添いながら、より良い地域環境を創り出し、権利だけではない、もっと自由な新しい価値観を生み出せるのではないかという価値観の下にこの家は建てられています。地域の人と繋がり、新しい人間関係が作りやすいような住まいのあり方を想定し、人が集まり、座り、遊び回れるように敷地全体にウッドデッキを張り、一部、畑や個室を配置したオープンな外装デザインが作られています。新しい土地で一から始める関係づくりにも配慮されたオープンな家のデザイン、素敵ですね。

リノベーションでの家づくりタイプ

人と同じものは嫌、またマイホームデザインへのこだわりや、時間と手間を惜しまない人には、リノベーションでの家づくりもおススメです。例えば、マンションのリノベーションであれば、マンション共有部分は変えられませんが、室内は住設機器を含めて全て新品にすることで、使用感・生活感を一掃して、室内を新築同様に変更することも可能です。これがリノベーション家づくりの基本メリットと言えるでしょう。

リノノベーションでの家づくりは、なにも中古アパートだけではありません。こちらは、AIRHOUSE DESIGN OFFICEが手がける岐阜県の養老町にある住まい。以前は倉庫として使用されていたもので、それを家族用の住宅に変えるリノベーションが行われました。倉庫はものを収納する場所であるため、人が住むための場所とは異なります。ですが工事によって空間は美しくミニマルに生まれ変わりました。中古物件リノベーションは、新築同様、物件探しとリノベーション内容を同時に考えていくので、手間も時間もかかります。しかし中古でありながら、家づくりの楽しみを体験できるのは、捨てがたい魅力ではないでしょうか。

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