奇抜なファサードの家3軒!ファーサードに隠された秘密!

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軒家/NOKIYA, 株式会社濱田昌範建築設計事務所 株式会社濱田昌範建築設計事務所 Modern houses
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正面ファサードは家の顔とも言えます。しかし、”表”の顔を見ただけで家のすべてを分かった気になるのは大きな間違いですよ!(人間関係と一緒です… )一見とても個性的で奇抜に見えるファサードだとしても、それは土地の条件や個々のライフスタイルを考慮した結果であり、住み手が最も快適で安全な生活を送ることができる形になっているのです。

今回は一目見たら忘れられないようなファサードと、そこに隠された建築家の狙いを紹介したいと思います。

閉じられたミニマルなファサード

こちらの住宅の正面ファサードは、ライトグレーの塗り壁に木製の玄関ドアというとてもミニマルなデザインです。しかも開口部が一切ない閉じられたデザインで、ドア以外には呼び鈴と郵便受けがあるのみ。明るくソフトな色調のおかげで威圧感はなく冷たい印象にもなっていませんが、内部がどうなっているのか、家の他の要素が想像ができないファサードです。

広々としたライトコート

鳥瞰図で見ると驚きが!ミニマルなファサードの内側にはとても広いライトコートが広がっていたのです。L字型に配置された建物のうちLDKがライトコートに面しており、全面に取られた開口部を開け放てば内外がつながった広々とした大空間となります。その広さなんと55畳。先ほど見た正面ファサードはそのままスリットの入った塀としてライトコートを囲み、プライバシーの確保と通風性&採光性を両立させています。しかもLDKの上もルーフテラスとなっており、遮るもののない青空を楽しむことができるんです。ファサードからこんな内部が想像できたでしょうか?

二階よりも小さな一階!

広島県福山市に建てられたのは株式会社濱田昌範建築設計事務所によるこちらの住宅。とても不思議な正面ファサードです!二階を支えなければならない一階が、上階よりも幅が狭く2mほどしかないのです。誰もが足を止める個性的な構造ですが、そのお陰でテラスには自然と快適な日陰ができています。

次は側面から見てみましょう。

水害対策の構造

こちらが住宅側面の様子。幅だけでなく建物長手方向も一階の方がこんなに小さいんです。正面ファサードとはまた少し印象が変わり、浮いている船のような雰囲気ですね。一階部分は明るい色のコンクリート、二階部分は黒い外壁というように強いコントラストを持った色調が住宅外観をモダンに見せています。

なぜこうした構造になったかというと、河口付近にあるこの敷地は河川の氾濫など水害を受けやすい土地であるため。一階を頑丈かつコンパクトな造りにすることで、万が一浸水した際も二階の居住スペースをしっかり守ることができるという災害対策がなされた建物だったのです。

とても細い家?

最後の驚きのファサードはこちら!ほ、細い!日本に狭小住宅は数あれど、こんな細い家に人が住めるのでしょうか?

三角形の敷地を生かす方法

実はこの敷地は右側が道路、左側は土手からすぐに川になっているという細長い三角形なのです。側面から見てみると建物も三角形になっていることが分かります。先ほどの写真は一番幅が狭い先端部分だったのです。一階よりも二階を大きく、天井を高くしてロフトを設置、窓を多く造り圧迫感を感じさせないデザインで、快適な住空間を提供します。手掛けたのはKota Mizuishi / Mizuishi Architect Atelierです。

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